● 税  務    平成19年度 税制改正(案)のポイント
    
      平成19年度の税制改正は、経済成長に重点を置き、設備投資の促進など、どちらかと
     いうと企業に、より配慮したものが多くなっています。その一方、個人には住宅ローン減税
     の延長・拡大が図られています。以下、要点をまとめてみました。

    1. タイムスケジュール
       平成18年度税制改正で、実施時期が今年からのものもありますので、これらを含め
      て主なものを整理すると、図表1のようになります。

        図表1 改正タイムスケジュール       

平成19年1月  ●所得税の定率減税の廃止
            ・税源移譲の実施
           ○取引相場のない株式等に係る相続時精算課税制度の特例の創設
           ○住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額の特例
             の創設

平成19年4月  ○減価償却資産について残存価額、償却可能限度額の廃止(1円まで
             償却可)
           ○住宅のバリアフリー改修促進税制の創設

       6月  ●個人住民税の定率減税廃止

平成20年4月   ・所有権移転外ファイナンス・リース取引は売買とみなして処理する

    2. 減価償却制度
      
     ☆ 残存価額の廃止
        平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産について、残存価額が廃止されます。
        この場合の定率法の償却率は定額法の2.5倍とされます。

     ☆ 償却可能限度額の廃止
        平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については、耐用年数経過時点に
       1円(備忘価額)まで償却できることになります。
        なお、既存設備については、償却可能限度額(取得価額の95%)に到達後5年間で
       均等償却ができます。
    
    3. 中小企業支援

     ☆ 特定同族会社の留保金課税制度の見直し
        特定同族会社の留保金課税制度の対象から資本金1億円以下の法人が除外されます。

     ☆ 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の見直し
        特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度について、適用除外基準である基準
       所得金額が1,600万円(現行800万円)に引き上げられます。

        
     ☆ 取引相場のない株式等に係る相続時精算課税制度の特例の創設
        推定相続人の1人(受贈者)が、平成19年1月1日から平成20年12月31日までの間に
       取引相場のない株式等の贈与を受ける場合には、一定の要件の下で、60歳以上の親から
       の贈与についても、3,000万円の非課税枠の相続時精算課税制度の適用が認められます。


    4. 金融・証券税制
       上場株式等の配当等に係る軽減税率の特例及び上場株式等に係る譲渡所得等の軽減
       税率(所得税7%、住民税3%)の特例適用期限が1年延長されます。

    5. 住宅税制

     ☆ 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額の特例の創設
     ☆ 住宅のバリアフリー改修促進税制の創設

    6. その他


     ☆ 電子申告税額控除の創設
     ☆ 税務手続の電子化促進措置
     ☆ 寄付金控除の引上げ
     ☆ 役員給与の整備
     ☆ リース取引の整備
     ☆ 特定資産の買換えの場合等の課税の特例の適用期限の延長


      
 ● 総  合   デジタルとアナログの融合 − カタログ販売の隆盛

      インターネット時代になれば、カタログ販売は衰退するというのが大方の見方でした。
      しかし、いまや減るどころか増えているようです。アメリカでは、2005年に郵送された
      カタログは192億通と、2002年の166億通を大きく上回っています。なぜカタログは
      無くならなかったのでしょうか。カタログが従来とは異なる役割を果たすようになり、オン
      ライン販売と共存している現実がありました。カタログはブランドを広く認知させるのに
      約立っています。
      eコマースの普及のほか、印刷費、郵送料の値上がりで、カタログはなくなる運命にあ
      ると多くの知識人は思いました。しかし、現実はこの予想とは違うものになりました。驚い
      たことに、カタログはこれまで以上に人気を得ており、発行部数は伸びています。これは、
      アメリカだけでなく、日本でもだれもが実感していることだと思います。
      さすがに、千ページもあるようなカタログは目にしなくなりましたが、カタログは隆盛の一
      途です。
      新しいカタログは、ただ商品の写真を並べるのではなく、雑誌のように記事が多くなって
      いることに気が付く方も多いと思います。狙いは消費者のイメージを向上させ、ブランド認
      知度を高めることに置かれています。
      商品自体の写真ではなく、利用する環境や雰囲気、あるいはライフスタイルが伝わるよう
      高画質な写真が載せられています。いくら解像度がよくなったパソコンでも、これには勝て
      ません。カタログは、消費者にイメージを与え、オンライン購入へと導く有効な手段になって
      いるようです。
      eコマースの販売自体は限りなく効率的ですが、消費者を惹きつけるには適切だとはいえ
      ないのかもしれません。
      デジタルとアナログの関係は、一方が他方を排除するものではなく、共存共栄関係が築か
      れるものとなるでしょう。
                 
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事務所便り 3月号/平成19年
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