● 税  務    夫 婦
    
     “夫婦と税”に関しては、昔からパート問題や相続・贈与など関心の高いところなので、改めて
    ここでポイントを整理してみます。

    1 パート収入がある場合
     (1) パート収入と所得税
         パート収入は、通常、給与所得とされ、課税される所得は、パートの年収から給与所得
       控除額(最低65万円)と基礎控除(38万円)などを差し引いた残額となります。つまり、
       103万円以下で、ほかに所得がない場合は、所得税はかかりません。

     (2) 配偶者にパート収入がある場合
         夫婦の一方(A)が正社員で、もう一方(B)がパートで働いている場合、夫婦が生計を一
       にしているなどの要件に当てはまれば、AはBの収入に応じて配偶者控除又は配偶者特別
       控除のどちらかを受けることができます(図表参照)。
        なお、配偶者特別控除は、Aの合計所得が1千万円を超える年は受けることができません。

     (3) 住民税の取扱い
         住民税については、住民税(所得割)の基礎控除が35万円と所得税の基礎控除より3万
       円低いので、パート収入が100万円以下ですと所得割はかかりません。

     (4) 社会保険の取扱い
         夫婦の一方が会社員の場合、配偶者のパート収入が130万円以上になると、被扶養者
       ではなくなるため、パート者自身が社会保険に加入して保険料を支払う義務が発生してき
       ます。


    2 内職による収入がある場合
     (1) 内職収入と所得税
         内職などの収入は、収入から必要経費を差し引いた残りが事業所得又は雑所得となり
       ます。

     (2) 税務上の取扱い
         次の@、Aのいずれにも該当する者については、パート収入とのバランスを図るため、必
       要経費が65万円に満たない場合は、65万円(収入金額が限度)を必要経費として差し引く
       ことができます。
       @ 家内労働者、外交員、集金人、電力量計の検針人または特定の方に対して継続して労
        務の提供をする者
       A 事業所得及び雑所得の必要経費と給与所得の収入金額の合計が65万円に満たない者
        
        したがって、内職による年収が103万円以下でほかに所得がない場合は、所得税はかか
      りません。なお、配偶者控除や配偶者特別控除の適用についても、パート収入と同じ取扱いに
      なります。

     (3) 配偶者への贈与と配偶者控除
         1) 概要
           夫婦間で居住用不動産又は居住用不動産の購入資金の贈与があった時には、贈与
         税の申告をすれば、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円の配偶者控除が受けら
         れます。
        2) 控除を受けるための要件
         @ 夫婦の婚姻期間が20年以上であること
         A 贈与財産が国内にある居住用の土地や家屋であること
         B 贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与を受けた土地や家屋に実際に居住し、そ
          の後も引き続いて居住する見込みであること
        3) 控除を受けるための手続き
           贈与税の申告書に配偶者控除の適用を受ける旨を記載し、次の書類を添付して提出し
          ます。
          @ 受贈者ま戸籍謄本又は抄本
          A 受贈者の戸籍の附票の写し
          B 居住用不動産の登記事項証明書
          C 受贈者の住民票の写し

     (4) 配偶者からの相続と税額軽減
         1) 
概要
           亡くなった人の配偶者が相続や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額
          のいずれか多い金額までであれば、配偶者には相続税はかかりません。
          @ 1億6千万円
          A 正味の遺産額に配偶者の法定相続分(子供がいる場合は2分の1)を掛けた金額
        2) 控除を受けるための手続き
           相続税の申告書に税額軽減(配偶者控除)の適用を受ける旨を記載し、次の書類を添
          付して提出する必要があります。
          @ 戸籍謄本
          A 遺産分割協議書の写し又は遺言書の写し
          B 相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)

■配偶者控除と配偶者特別控除
配偶者のパート収入 配偶者控除 配偶者特別控除
 103万円以下 38万円
 103万円超   105万円未満 38万円
 105万円以上  110万円未満 36万円
 110万円以上  115万円未満 31万円
 115万円以上  120万円未満 26万円
 120万円以上  125万円未満 21万円
 125万円以上  130万円未満 16万円
 130万円以上  135円未満 11万円
 135万円以上  140万円未満 6万円
 140万円以上  141万円未満 3万円
 141万円以上

    メモ

      ― 離婚後、養育費を送金している子の扶養控除 ―
      
      
Q  私は、妻と協議離婚し、妻は子を引き取って実家に帰りました。子の養育費
        は私が負担することとなっており、毎月送金しています。この場合、子を私の扶
        養控除の対象としてよろしいでしょうか?

       A  扶養親族は、納税者と「生計を一にする」ことが条件とされていますが、「生計
        を一にする」とは、必ずしも同居していることのみをいうのではなく、子との関係
        では、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われていれば、その子は生計
        を一にする親族と扱われます。
         したがって、あなたが離婚した妻のもとで生活する子の養育費の大部分を送金
        しているのであれば、その子は生計を一にしていると認められ、扶養控除の対象
        とすることができます。ただし、その子は、あなたか離婚した妻等のいずれか一方
        でしか扶養控除の対象とすることはできません。
         

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事務所便り 11月号/平成19年
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