事務所便り

2022年 7月号

消費税の免税事業者が「インボイス発行事業者」の登録を受ける場合
 ~令和4年度税制改正を踏まえて~

Ⅰ 「適格請求書等保存方式」(インボイス制度)の概要
 複数税率に対応した仕入税額控除の方式として、令和5年10月1日からインボイス制度が導入されます。
 この制度の導入後は、仕入税額控除の要件として、原則、適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)から交付を受けた適格請求書(インボイス)の保存が必要になります。インボイスには、区分記載請求書の記載事項に加え、インボイス発行事業者登録番号、適用税率及び税率ごとに区分して合計した消費税額等を記載する必要があります。
 免税事業者などインボイス発行事業者以外からの課税仕入れについては、仕入税額相当額の一定割合(令和5年10月1日から令和8年9月30日までは80%、令和8年10月1日から令和11年9月30日までは50%)を、仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。
 今後、事業者は取引先等との関係上、「インボイス発行事業者」となる必要が生ずるでしょう。今まで免税事業者であった場合でも同様です。

Ⅱ インボイス発行事業者の登録
⑴ すでに課税事業者である場合
 令和5年10月1日から登録を受けようとする場合は、原則として、令和5年3月31日までに納税地を所轄する税務署長に登録申請書を提出する必要があります。
⑵ 免税事業者である場合
 インボイス発行事業者となるためには、消費税の課税事業者となる必要があります。本来、課税事業者となる場合には、その課税期間の開始の日の前日までに、納税地を所轄する税務署長に消費税課税事業者選択届出書(課税選択届出書)を提出しなければなりません。
 しかし、免税事業者が令和5年10月1日の属する課税期間中に登録を受けることとなった場合には、登録日から課税事業者となる経過措置が設けられています。令和5年10月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日である令和5年10月1日から生じることとなります。
 したがって、この経過措置の適用を受けることとなる場合は、登録日から課税事業者となりますので、課税事業者選択届出書を提出する必要はありませんが、基準期間の課税売上高にかかわらず登録日から課税期間の末日までの期間について、消費税及び地方消費税の申告が必要となります。

       

所長 堀 裕彦 中小企業庁“ちいさな企業

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