事務所便り

2013年 12月号

● 税  務 ― 平成25年分 年末調整のポイント

   年末調整は、給与の支払者が給与の支払いを受ける1人1人について、毎月の給与や賞与などの支払
  の際に源泉徴収した税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)と比べて
  過不足を精算するものです。
  
  1 平成25年の留意点
   (1)給与所得控除の上限設定
      給与所得控除は、給与所得者の必要経費的な性格を持っていますが、給与の収入金額が多くなれ
     ば控除額も多くなる仕組みとなっていました。
      しかし、平成25年からは、年間の収入金額が1,500万円を超えても1,500万円の場合の控除額
     245万円でストップすることになりました。
   (2)復興特別所得税
      所得税の2.1%の復興特別所得税の上乗せが、1月の源泉所得の取扱いから始まっています(25
     年間)。
  2 年末調整の対象者
      年末調整の主な対象者は、表1のとおりです。
      なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出が前提となりますので、必ず提出してもら
     う必要があります。
     

表1 年末調整対象者の選別(主な例)
年末調整の対象となる人 年末調整の対象とならない人
次のいずれかに該当する人
(1) 1年を通じて勤務している人
(2) 年の中途で就職し、年末まで勤務している人
(3) 年の中途で退職した人のうち、次の人
  ①死亡により退職した人
  ②著しい心身の障害のため退職した人で、その
   退職の時期からみて、本年中に再就職ができ
   ないと認められる人
次のいずれかに該当する人
(1) 左欄に掲げる人のうち、本年中の主たる給与
  の収入金額が2,000万円を超える人
(2) 2ヵ所以上から給与の支払を受けている人で、
  他の給与の支払者に「給与所得者の扶養控除
  等(異動)申告書」を提出している人や、年末調
  整を行うときまでに「給与所得者の扶養控除等
  (異動)申告書」を提出していない人(月額表又
  は日額表の乙欄適用者)
表2 所得控除一覧表(抜粋)
【社会保険料控除額】
支払った又は給与から控除された社会保険料の合計額
【小規模企業共済等掛金控除額】
(独)中小企業基盤整備機構に支払った共済掛金(旧第二種共済掛金は生命保険料控除の対象)、確
定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金又は個人型年金加入者掛金、地方公共団体が実施
する心身障害者扶養共済掛金との合算額
【地震保険料控除額】
〈地震保険料の額(最高5万円)〉 + 〈旧長期損害保険契約の支払保険料〉
                       〈①10,000円までの場合……支払保険料の全額〉
                       〈②10,000円を超える場合…支払保険料×1/2+5,000円 
                                                   最高15,000円〉
※地震保険と旧長期損害保険の両方の控除額がある場合は、その合計額(最高5万円)
障害者控除額 障害者1人つき……270,000円
特別障害者1人につき……400,000円(同居特別障害者の場合750,000円)
寡婦(寡夫)控除額 270,000円 (特別の寡婦は、350,000円)
勤労学生控除額 270,000円
配偶者
控除額
一般の控除対象配偶者 380,000円 ※ 控除対象配偶者、控除対象扶養親族……
 所得者と生計を一にする配偶者その他の親
 族、都道府県知事から養育を委託された児
 童(いわゆる里子)及び養護老人のうち、所
 得金額の合計額(繰越損失控除前)が38万
 円以下の者(青色事業専従者又は白色事業
 専従者とされる者を除く)。

※ 特定扶養親族……控除対象扶養親族のう
 ち、平成3年1月2日から平成7年1月1日ま
 での間に生まれた者(年齢19歳以上23歳
 未満の者)。

※ 老人控除対象配偶者、老人扶養親族…・
 昭和19年1月1日以前生まれ(年齢70歳以
 上)の控除対象配偶者、控除対象扶養親族。

※ 同居特別障害者……控除対象配偶者や扶
 養親族が、特別障害者に該当し、かつ、その
 者が所得者又は所得者と生計を一にする親
 族のいずれかと同居を常況としている者。

※同居老親等……老人扶養親族のうち、所
 得者又はその配偶者の直系尊属で、所得者
 又はその配偶者のいずれかと同居を常状と
 している者。
老人控除対象配偶者 480,000円
配偶者
 特別
控除額
配偶者の年間所得金額が
38万円超76万円未満
30,000円~
380,000円
扶養
控除額
一般の控除対象
扶養親族
16歳以上
19歳未満
380,000円
23歳以上
70歳未満
特定扶養親族 19歳以上
23歳未満
630,000円
老人扶養親族 同居老親等以外 480,000円
同居老親等 580,000円
基礎
控除額
380,000円
       

所長 堀 裕彦 中小企業庁“ちいさな企業

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