


「安売り」が商売の本道か! (通算第56号/2010-02-01) ・ お陰様で、平成21年度の通年科目と秋学期科目の学年末試験に関する採点・評価を全て出 し終えて、大学関係の仕事は漸く一段落しました。もっとも、受講生が全員3回生だったので、 就職活動に出ていく姿を見るに付け、幸多かれと祈る昨今です。わが家でも人ごとではないの ですが・・・。 ・ さて、菅直人副総理兼経済財政担当大臣(現在、財務大臣も兼任)が、昨年の11月に「デフレ 宣言」を行いました。私の職掌柄、小売業の社長さんと接していても、詰まるところ低価格競争 の話題に行き着き、悶々とすることが多いのは事実です。 ・ 昨秋のプライベート・ブログでも紹介しましたが、最近私が注目しているエコノミストで、同志社 大学の浜矩子教授が、平成22年1月4日の朝日新聞(朝刊)で、「2010年どんな時代に」と題す る朝日新聞編集委員の質問に答えておられましたが、その内容に共感を覚えました。方向性と して正しいことを提言されていると思ったので、必要に応じて関与先の社長さんにコピーを配布 して、私なりに啓蒙に努めているところです。 ・ 今回はその内容について、重要ポイント列挙方式にて整理しておきたいと思います。 (1) 昨年は安売り競争が話題を集めた1年だった (2) 消費者は99円のセーターの登場に、何かがおかしいと気づき始めている (3) 自分で自分の首を絞めている「失血景気」である (4) 背に腹はかえられないが、今後10年で克服しないと崖っぷちから落ちる (5) 2010年のキーワード=「グローバル市民主義」になる (6) 究極の低価格商品をつくってしまう生真面目な日本人がいる (7) 欧米人ならあきらめてしまう (8) まさに「蟹工船」の世界である (9) 冬物バーゲンの前倒しに象徴される安売りの常態化 (10) 2009年度ノーベル経済学賞に見られる共存共栄への兆し (11) 生活が厳しい人々に「99円セーターを買うな」というのはつらい (12) でも、自分で自分の首を絞める恐れのがあるとの意識の共有は必要 (13) そもそも経済活動は人の営み (14) 労使も対立しているときではない (15) 大航海時代から産業革命を経て、20世紀の国民国家的な資本主義を形成 (16) 21世紀はグローバル資本主義時代から「グローバル市民主義」へ! (17) 人間らしい活動を取り戻すこと = 見えざる神が我々に下した鉄槌?! (18) 「グローバル市民主義」への道筋の具体化が、向こう10年の課題である ・ 含蓄に富んだ指摘であることは間違いありません。これほど庶民の生活レベルまで踏み込ん で警鐘を鳴らした経済学者を私は知りません。そして私の中でも何か国民運動にまで展開して いく必要性も感じています。 ・ アラビアン・ナイトの一節に出てくる物語でプッチーニのオペラとして有名な『トゥーランドット』 の「誰も寝てはならぬ」ではありませんが、「誰も値引いてはならぬ!」と物申してみたい焦燥に 駆られる今日この頃です。 |







